アルファと私と小倉唯

愛車アルファロメオと声優小倉唯さんのこと、そして私の日常と考えたこと

これだけしか売れてなかったのに


日本でかなり人気だったイタリアブランドの小型車、フィアット500と…

 

 

その派生版であるコンパクトスポーツ、アバルト595が生産終了になりました。

 

 

さようなら、チンクエチェント。

 

日本国内でまともに台数が出ているイタリアブランドの車って、これだけしかなかったのに…。

 

以前にこのブログで取り上げたフィアット・ドブロは、残念なことに全く売れず。

 

偏見がなければ売れるはず - アルファロメオと小倉唯

偏見がなければ売れるはず - アルファロメオ小倉唯

昨日に続いて、車の話題です。 今年の2月の記事で取り上げた、アルファロメオの、やや小型の(CセグメントSUV、トナーレ。  アルファのブランドが世界戦略...

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兄弟車のシトロエン・ベルランゴとプジョー・リフターは街中で見かけるのに(昨日も運転中にリフターに遭遇しました)…

 

フィアット・ドブロはほんとに見ない。

 

 

やっぱり日本人とアメリカ人の間にある「偏見」は拭い去れないものなんですね。

 

日本人にとって、イタリアとイタリア人は「唯一見下せる西洋人」だから、そのイメージを手放したくないのかも。

 

すぐ壊れるいい加減な車というイメージと、それを増長する日本語ネット世界でのネガキャンが世にはびこってますしね。

 

アメ車より壊れないし、これで壊れると文句言ってたらドイツ車にだって乗れないですよ、ということ…

 

このブログでもさんざん宣伝してきたのですけれど、まあそんなもの蟷螂の斧ですからね。

 

人の先入観、偏見というものは、よほどのインパクトがないかぎり、覆せないものなのでしょう。

 

アルファロメオフィアットと同様で、ニューモデルの売れ行きは悲惨そのもので…

 

4月に発表されたミラノ改めジュニアは、実車が入って来てるのか分かりませんが、まあ売れないでしょう。

 

トナーレもぜーんぜん見かけないし。

 

ステルヴィオだってもの凄くレアです。

 

基本的に同じ車でも、グループ内別ブランドの「ジープ」のバッジを付ければ売れる。

 

やっぱり、フィアットとアルファ自体、この国ではもう需要がほとんどないのでしょうか。

 

まもなく、セダンのジュリアも生産終了かフルモデルチェンジのタイミングのはずですが、はたしてどうなるか。

 

そうすると、わずかに売れるのは、500の電気自動車版、500eだけになりますが…

 

 

半目でなんだか眠そうな顔をした、この小さな電気自動車がそれほど大々的に売れるとは、ちょっとね。

 

このままだと、日本国内からイタリアブランドの新車は、事実上消滅するおそれがあります。

 

フェラーリランボルギーニはまた別のカテゴリーですからね)

 

本物の「イタリア車」は、うちのペッピーノさんたちアルファ156の時代で絶滅して、その後はあくまでも…

 

多国籍企業がイタリア風の味付けをした「イタリアブランド」の車だと思ってますが。

 

それでも、寂しいかぎりです。

 

イタリアの文化やモノや人の魅力を日本に紹介することを、ある種ライフワークにして来た私ですが…

 

イタリアブームは遠く去り「イタ飯」もほとんど死語になり…

 

イタリアブームの頃の「顔」だったジローラモ氏も、すっかり老けてあまり見なくなっちゃった。笑

 

車まで顧みられなくなって…というか敬遠さえされるようになり、これほどイタリアへの関心が薄れたいま…

 

自分のやろうとしていた仕事はすべて失敗、徒労に終わったのだな、という寂寥感に襲われています。

 

EU統合の理想と、それが世界のあり方のモデルケースとなる夢も、無残な形で裏切られてしまったし。

 

まあ、無念にも力及ばず。

 

というか、一度大衆の間に根付いたパブリックイメージに、手を加えることの困難さですよね。

 

人は真実とそれを証明する論理によってではなく、印象・イメージによって動くのだということです。

 

そして印象・イメージは、そう簡単にアップデートされないということ。

 

ただ我々とって今一番大問題なのは、日本と日本人自身の「自画像」まで、三十年以上前のまま…

 

凍り付いて動かないでいる、ということなんですけれどね。

 

彼を知り己を知れば百戦して危うからず……彼を知らず己を知らざれば戦う毎に危うし

 

と「孫子」の書にある通り。

 

他国のことに関心が薄くステレオタイプの古いイメージにしがみつき、自国のことも現実を受け入れず昔の夢に留まっていては…

 

経済でも軍事でも、とにかく何をやっても「必ず負ける」のですよ。