「普通の人」というのは、他人を外見としゃべりかただけで90%、いや99%以上判断して…
それを自分の中の、ステレオタイプな偏見に落とし込んで、人を判断するものなんじゃないですかね。
言葉や行動の内容については、自分の心の中にある先入観とか偏見に「響いた」ものだけに反応する。
だから、参政党の街頭演説に感心して拍手したり「いいこと言ってた」という感想になったりするんでしょう。
たとえば北野ゆうこ衆院議員の…
「私たち日本人は差別なんかしたことない民族です。その証拠に外国の人も文化も受け入れてきた。クリスマスにはケーキを食べて、お正月には初詣して、結婚式(キリスト教風の)もして。ね?いじめてなんかいないじゃないですか!」
なんていうわけのわかんない演説を、おかしいとも思わずに「そうだそうだー!」となる。
え?それのどこがおかしいの?って思った人、もしもいたらヤバいですよ。
あの…クリスマスに「ケーキを食べる」なんて文化、海外にないですから。クリスマスという「ワードだけ」を日本式の商業主義に転換して…
洋菓子店の戦略にまんまと乗せられて「日本独自の習慣」にしただけです。それで「外国の文化を受け入れた」ということにはならないですよね。
クリスマスとイエスキリストの関係なんて眼中の外で、サンタさんが来る、ということだけ楽しみにしているのに。
結婚式だってそうです。チャペル、ウエディングドレス、牧師、という「ギミック」をそろえて儀式のまねごとをすることの、どこが「キリスト教」の結婚式なんですか?
牧師の説教だって、型通りに福音書の決まった個所を「アルバイトのニセ牧師」に読ませてるだけでしょ。葬式のお経と同じ。内容を心に入れてる人、どれだけいます?
そういうのは「文化を受容した」うちに入らないですから。
そして、これまた彼らお得意の「飛躍」なんですけど「クリスマスにケーキを食べる」ことと「外国人をいじめてなんかいない」ということが、どうやったらつながるのか。
日本風の「カレーライス」が好きな自分。それがインド人やネパール人をいじめていないという証拠になるんだ、というのと同じじゃないですか?
そういう内容のない、つじつまの合わない話の羅列を「日本人は差別なんかしたことない」「いじめてない」という、気持ちいいワードだけに飛びついて…
「うわー!」「そうだー!」となる。
バンドとかのライブの「盛り上がってるかー?」「イエーイ!」と同じ。
見た目と言い方とその場の雰囲気。それだけ。それ以外は何もない。
まあ、トランプ大統領の「日本人はアメリカ米に700%の関税をかけている!ずるい!」「そうだそうだー!」も同じですけどね。(もちろん700%なんて口から出まかせ)
言っちゃ悪いですが「普通の人」たちには、それ式の煽りがいちばん効くし、逆に言うと、まともなことを言っても響かない、ということです。
ああ、そんなことが今日のテーマではなかったんです!もう参院選も告示されたし、今さらそんなこと書いても、何一つ変わらないんだから。
今の日本は末期がん患者みたいなものなので、少ない余命を苦しまず、痛みを少なく、楽に充実して生きられるための、緩和ケア=終末期医療が必要なんですよね。
氷の海に沈みゆくタイタニック号の中で、楽団は最後の最後まで、陽気な音楽を演奏していた…という生存者の証言があるように。
何度も繰り返します。大人は「最後」になるかも…の時間を楽しく充実して過ごしましょう。でも未来を生きる子供たちは一人でも多く救命ボートに乗せて逃がしましょう。
何を書きたかったかというと、日曜日の小倉唯さんの「ゆるっとトーク」の話ですよ。

この人、フェミニンでかわいらしい外見と、ふわっとしたしゃべり方と「ぶってそうな」態度としぐさから…
「こういう女はぶりっ子な半面、恐ろしく腹黒いものだ」という、それこそステレオタイプな決めつけの犠牲になって…
昔からアンチが恐ろしく湧いて出て、本人や周りのちょっとした言葉や行動、SNSに上げた写真などのきれっぱしを無理やり捻じ曲げて、誹謗中傷にさらされてきました。
人知れず悩んだ本人が、死を考えたりするほどに。
ただ「ぶりっ子」という決めつけの割には、アンチには圧倒的に「男」が多いというのが不思議なところですが。
色々警戒して、男性共演者などと普通以上に慎重な距離感をとっているのが、逆に男のオタクの神経をいら立たせるのでしょうか。
バックバンドを組んでも、ガールズバンド。写真集のカメラマンにまで、なるべく女性を起用する。マネジャーさんたちまで、ほぼみんな女性とか。
彼女のまわりから「男っけ」を一切排除しているのは「恋愛スキャンダルにまみれて消えちまえばいいのに」とはっきりネットに書き込む、男オタクのアンチなんですけど。
また違う話をしました。この前の「ゆるっとトーク」でした。
それなりのお金を払っているファンクラブ会員限定のコンテンツなため、安心していつも以上に「素」に近い姿を見せてくれるこの配信。
カメラの調整とかも自分でやるし、途中で鼻をかんだりするためにフレームアウトしたり、生配信中にメイク直しをはじめたりと、なにかとフリーダムなコンテンツ。
視聴者のライブコメントをじっと見て、拾ってそれに答えて会話をするために、放送事故並みの空白が生じても、意に介さず。
とくに先日の配信は、いつもついてくれているマネージャーさんが体調不良の様子だったとかで「早めに帰ってもらった」ということで…
まだ事務所に入ったばかりの新人マネさんが、ひとり付いているだけの現場となり。
不慣れなため機材の操作がわからなくて、映像が何度も乱れたり、声と映像が数分にわたって完全に止まってしまったりと、事故りがちな配信でした。
入社したての「ど新人」で、しかも機械には弱い、女性のマネさんらしく…
「ちょっと上司に訊いてきます」と部屋から出て行ってしまい、唯さん一人でカメラに向かって、視聴者に機材の操作の仕方を相談する、ということになったり。
(事務所の「大エース」の生配信を新人ひとりに任せる、というゆるゆるさが、逆に面白かったですが)
そんな状況だったので、いつもよりさらに唯さんの声のトーンや口調、表情などが、くだけたものになっていて…
本当にプライベートの友達や、ごく親しいスタッフさんと話しているような調子でした。
それでもなお「どこまで皮をむいてもむいても、唯ちゃんは唯ちゃん」と、同業者の上坂すみれさんが言うように…
醸し出すパーソナリティは変わらないのですが。
とくに「すごい不安そうな顔してるー(笑)」という状態の、新人マネさんの方を見る唯さんの視線や話しかける口調が…
「やさしいお姉さん」そのもので、ほっこりしました。
最後の方では、ひそひそ声のやりとりを聞いていた視聴者から「なんかマネさんかわいかったって言われてるよ(笑)」とからかっていましたけど。
こういう生配信は、電波や機材の不具合で、まれに突発的な事故になることがあります。
事故が起きたときのどっしり落ち着いた態度、スタッフへの柔らかい接し方、すべて自分が責任を負う姿勢といったものは、それこそ人間の「本性」が出る瞬間で…
「腹黒い」とか「性格が悪い」と、それこそ何の根拠もなく噂を広める…
アンチたちに見せてやりたいですよ。
こういうところが…
「上司になってもらって、下で働きたい」(男性声優の入野自由さん)とか…
「あの子はかっこいい。男前だよね。ある意味あたしより姉御かも」(女性声優のたかはし智秋さん)…
という、普段一緒に仕事をしている人たちの評価につながるんですね、きっと。
すぐにオヤジギャグが出がちだったり、昭和のノリの根性の人だったりするし。
ぱっと見の印象とか表面的な話し方とか、そういうイメージを、自分の乏しい人生経験の中で出来た偏見による類型に当てはめても、人の本質はわからんのですよ。

政治家でも、芸能人でも、なんでも同じ。
類型的に見たのではだめだし、〇〇なんてみんなこういうものだよ、と十把ひとからげに決めつけるのもだめなんです。個々の「人間」と対峙して、偏見なく…
ちゃんと言ってること、やってることを注意深く、しかもある程度の長期間、観察して、吟味して、自分で判断をする、というめんどくさいことをちゃんとやらないと。
そこをめんどくさがっていたら、ひとも世の中も何もわからない、ということです。
たぶん自分の場合は、外面と内面にギャップがある人に興味を引かれるんだと思います。
考えてみたらうちの妻も、表面的には物腰柔らかなおとなしいおばさんに見える…のらしいですが…
中身はただの「おっさん」だし、夜道で出会った痴漢を「なんだてめえ!」と言って傘でめった打ちに殴打し…
そのあと、逃げる痴漢を数百メートルにわたって追いかけたような猛者ですから。
酒と野球とヘビーメタルの音楽が大好き、と言ってもにわかには信じてもらえないらしいですけれど。
いろんな形の「ギャップ萌え」な女性に興味を引かれる…のかもですね。